真新しい電車、つくばエクスプレスに乗って、
つくばにある、河上さんの工房へお伺いしてきました。
開発の進む駅から車で少し。
のどかなという言葉がぴったりの、田園風景の中に
河上さんの工房はありました。
今回の個展のテーマは、様々なモール型の器。
今までのモールシリーズだけでなく、
鎬のような繊細なラインが刻まれたもの、
ゆるやかにモールが描かれたもの、と
新しい雰囲気の器を制作してくださっています。
工房に入り、「見て見て!」と早速見せてくださったのは、
そのモールを成形する型。
なんと、河上さん手作りの型でした。
モールの数や、使う材料の違いによって、
それぞれ異なったモールが生まれるのです。
空き缶や定規まで(!)
アイディアを駆使して型から作ってしまうところ、
さすが河上さんだなぁと心の中で感動です。
そして、早速そのモール型の器の
制作工程を見せてくださいました。
まずは、1300度の窯の中に溶かしている硝子を
竿に取ります。
それから、鉄板の上で転がし、硝子に空気を入れ込みます。
それから、先ほどのモール型に硝子を入れます。
そっーと慎重に。見ている私も息を止めてしまいます。
そして、別の竿に「ポンテ」(フランス語で橋という意味)という
硝子の塊を底に付けて口になる部分を元の竿から
切り離します。
それから、余分な部分を切り取り、
口径を広げ、最終的に成形していきます。
その後、徐冷炉という炉の中で、
少しずつ少しずつ温度を下げていきます。
丁寧に説明しながら、作業される河上さんは、
いつもの明るい河上さんとはちょっと違った表情。
見ていると、まるで飴細工のように、
河上さんの手の動きに合わせてのびたり、広がったり。
一瞬一瞬形が変わっていく様子は、
無意識に「やりたい」と思わせてしまうほど魅力的でした。
そんな私を
見透かしていたような河上さん…。
「はい、やってみよ~!」と早速体験です。
結果は…。
当たり前ですが、本当に思っていたようには
手が動かせず…。
でも、何とかグラスを作ってきました。
完成品はまた後ほど…。
工房内には、すでに仕上がっている作品も。
新しいモールのピッチャーや、
しずく型の箸置き。
それから、河上さんご自身も
「とても楽しい!」と作ってくださっているランプシェード。
その他、グラス、小鉢や小皿、プレーンなプレートなど
普段使いの器をお願いしています。
初夏の太陽の光を浴びて、
キラキラと光る硝子はとてもきれいで、
これからの季節への楽しみをより一層駆り立ててくれます。
河上さんは、初日の1日のみ在店予定です。
ぜひお立ち寄りください。
「河上智美展」
2008年5月1日(木)-5月11日(日)
※7、8日はお休みさせていただきます。
11:00-19:00 土日祝:11:00-17:00