今週の金曜日、2日からはじまる「小山 乃文彦展」。
小山さんもまた、土庵では初めての個展になります。
小山さんと言えば、代名詞ともなっている粉引の器。
少しぽってりとした釉薬に触れると、
なんだか顔がゆるんでしまいます。
今日は、以前小山さんの工房に伺った時の様子を。
小山さんの工房は、ご自宅の敷地内にある平屋の建物。
とても雰囲気のある空間でした。
小学生の頃から「ものづくり」を仕事にしたかった
とおっしゃる小山さん。粘土遊びが作陶へと変わったのも、
自然の流れだったのでしょうね。
だからなのかもしれません。同じ名前の器でも、
ひとつひとつ表情が違う器に仕上がるのは。
そして、そのそれぞれが、自分が一番いい顔をしてるよって、
言っているように私には見えるんです。
お話の中で、一番お聞きしたかったこと、
それは、「どうして粉引の器なのか」ということ。
お伺いすると、こう返してくださいました。
「現在のライフスタイルに合っていながら、
土っぽさと洗練さを残すもの。
それが粉引の器なんじゃないのかな。」
粉引の器でも、なかなか思い通りのものが
作れなかった時期もあるそう。
でも、一番好きなのは、やっぱり、粉引。
それで答えを探していこうと決められたそうです。
そうして模索しながら作ってらっしゃる粉引の器は、
特に、これからの季節によく似合う色合いだと思います。
個展では、普段使いの器を中心に、
スープボウルなど、温かいお料理に
ぴったりな器も作ってくださっています。
粉引の器を中心とする個展は、土庵でも久しぶりです。
皆さまに、ぜひご覧いただければなと思っています。